第20ステージ　サンテティエンヌ個人TT　55.5Km

　　　　　　　　ランス、7連覇に王手！

パリ最終日前日の個人タイムトライアル。
フランス中部のサンテティエンヌの街を出て郊外の牧草地を
ぐるりと回る55.5Km。朝はカラリと晴れていたが、ファース
トスタートが近づくと曇り空に変わる。しかし、15時以降の
上位選手の番になると、また青空が広がった。

この最終前日TTは近年ツールでは毎年の恒例で、ひょっとす
ると大逆転もあり、というステージなので見逃せないわけだ
が、これまで総合トップのランス・アームストロング（ディ
スカバリーチャンネル・アメリカ）は2位のイバン・バッソ
（CSC・イタリア）に既に2分46秒の差をつけて、さらにはタ
イムトライアルを得意としているので、逆転よりも、もっと
差を広げることの方が可能性が高い。

昨日まで総合4位に甘んじている、ドイツのヤン・ウルリッ
ヒ（Tモバイル）もタイムトライアルには強いはずで、今日
の走り次第では3位表彰台も射程に入る。

コースは、前半に比較的緩やかなダラダラの登りが続き、後
半はその反面の下りを主体としたレイアウトとなっている。
また結構なワインディングが続いて、テクニカルともいえる
だろう。

このコースに泣いたのが、昨日まで総合3位でマイヨ・アポ
ワ（山岳賞）を着ているミカエル・ラスムスン（ラボバン
ク・デンマーク）。
3度の落車と2度のバイクチェンジに足をとられ、トップから
7分47秒遅れの77位フィニッシュ。自滅してしまった。これ
で、総合4位につけていたウルリッヒが自身の渾身の走りも
手伝って23秒遅れの2位フィニッシュし、総合3位に浮上し
た。

そしてもちろん、あの男、ランスはウルリッヒ他を寄せ付け
ず堂々の1位に。前半、17Km地点の計測では前走のバッソに
0.7秒遅れであったが、以降は順調にスピードを上げ、トッ
プタイムをマーク。今ツール初ステージ優勝をものにした。

明日のパリの凱旋でもって引退をするわけだが、最後の花道
を自らの勝利で飾ることが出来、表彰台ではちょっぴり涙ぐ
んでいました。

写真は郊外の高台を行くランス。見慣れたランスのTTシーン
だけど、これが最後となってしまいました。

ではまた。


今日の結果
1、ランス・アームストロング（ディスカバリーチャンネ
ル・アメリカ）
2、ヤン・ウルリッヒ（Tモバイル・ドイツ）＋23秒
3、アレクサンドル・ビノクロフ（Tモバイル・カザフスタ
ン）＋1分16秒秒
4、ボビー・ジュリック（CSC・アメリカ）＋1分33秒
5、イバン・バッソ（CSC・イタリア）＋1分54秒

第20ステージ終了時点の総合結果

1、ランス・アームストロング（ディスカバリーチャンネ
ル・アメリカ）
2、イバン・バッソ（CSC・イタリア）＋4分40秒
3、ヤン・ウルリッヒ（Tモバイル・ドイツ）＋6分21秒
4、フランシスコ・マンセボ（イリャスバレアレス・スペイ
ン）＋9分59秒
5、リーバイ・ライプハイマー（ゲロルシュタイナー・アメ
リカ）＋11分25秒
6、アレクサンドル・ビノクロフ（Tモバイル・カザフスタ
ン）＋11分27秒
7、ミカエル・ラスムスン（ラボバンク・デンマーク）＋11
分33秒
8、カデル・エバンス（ダビタモン・オーストラリア）＋11
分55秒
9、フロイド・ランディス（フォナック・アメリカ）＋12分
44秒
10、オスカル・ペレイロ（フォナック・スペイン）＋16分4
秒
11、クリストフ・モロー（CA・フランス）＋16分26秒
12、ヤロスラフ・ポポビッチ（ディスカバリーチャンネル・
ウクライナ）＋19分02秒

51、サンチャゴ・ボテロ（フォナック・コロンビア）＋1時
間49分22秒

各ジャージ

マイヨ・ジョーヌ：
ランス・アームストロング（ディスカバリーチャンネル・ア
メリカ）

マイヨ・ベール：
トール・ヒュースホーウト（クレディアグリコール・ノルウ
ェー）

マイヨ・アポワ：
ミカエル・ラスムスン（ラボバンク・デンマーク）

マイヨ・ブラン：
ヤロスラフ・ポポビッチ（ディスカバリーチャンネル・ウク
ライナ）